株式会社JEL

TOPICS

CISPR 22 Amendment 2について

Issue 35
2003年02月12日

CISPR22 Amendment 2が昨年10月に発行されました。正式にはCISPR 22:1997版に対するAmendment 2:2002ということになりますが、主な内容は「電気通信ポート」の定義が変わったこと、相互接続のポートと通信/ネットワークポートの定義が明確に述べられるようになったこと、供試装置の動作の項にMulitfunction Equipmentという機器区分が追加され、その動作が定義されたことです。以下に説明します。

CISPR 22 Amendment 2のダイジェスト

  1. CISPR 22第3版の3.6項電気通信ポートの内容に変更がありました。新しい定義では、「ITEシステムの各機器の相互接続を意図したポート (RS-232、パラレル、USB、FireWireなど) は、電気通信/ネットワークポートとはみなさない。」と明確に述べられています。
  2. 続いて3.6項の後に新たに3.7項「多機能機器 (Multifunction Equipment)」の定義が追加されました。それによると、多機能機器とはCISPR 22とそれ以外の規格の対象となる複数機能が同一のユニットに提供されているITEを指します。そして測定方法としては、
    ①原則的に各機能を分離して対象規格に基づき測定を行う
    ②分離して動作させることが不可能な場合には同時に動作させ対象となる規格の測定を行う
    ③一定の条件の下では、測定免除があることが述べられています。

全文訳

以下、CISPR 22 Amendment 2の日本語訳の全文 (JEL訳) です。詳細はこちらをご覧下さい。あくまで参考用の邦訳ですので、内容に関することはオリジナル (英語版) をご確認下さい。

(9ページ)
2 参照規格
現在のリストに以下の規格を追加する。
CISPR 13:2001 音声およびテレビジョン放送受信機並びに関連機器-無線妨害特性-限度値および測定方法

(11ページ)
3 定義
以下を現在の定義と置き換える。
3.6 電気通信/ネットワークポート
マルチユーザー通信ネットワーク (例として公衆電話交換網 (PSTN)、統合デジタル通信網 (ISDN)、x-typeデジタル加入者回線 (xDSL) など) や、ローカルエリアネットワークに直接接続されるような方法広域拡散システムに相互接続するよう意図された音声、データ、信号伝送の接続点

【注意事項】
一般的に、ITEシステムの機器相互接続 (例えばRS-232 IEEE規格1284 (パラレルプリンタ)、ユニバーサルシリアルバス (USB) IEEE規格1394 (FireWire) など) を意図し、その機能的仕様に従って使われているポートはここで定義されている電気通信/ネットワークポートとはみなされない。

以下の新しい定義を加える:

3.7 多機能機器
この規格、そして/あるいは、他の規格の適用を受ける複数の機能を有する情報技術装置

【注意事項】
情報装置の例として以下のものを含む
-遠隔通信機能、そして/あるいは、放送受信機能を有するパーソナルコンピュータ
-測定機能などを有するパーソナルコンピュータなど

(27ページ)
8.2 供試装置の動作
8.2.3 の後に、以下の新しい条件を加える:
8.2.4 多機能機器の動作
この規格、そして/あるいは、他の規格の異なった条件の適用を同時に受けうる多機能機器は、もし機器の内部に変更を加えずに行えるのであれば、それぞれ分離して動作させ、それぞれの機能の試験を行わなければならない。従って、機器はそれぞれの機能が関連する条項/規格の要求を満足したときに関連する条項/規格の要求を伴った試験が完了したとみなされる。例えば、放送受信機能を持つパソコンは、もし通常動作の下、各機能を分離して動作できるのであれば、CISPR 22に対しては放送受信機能を動作させずに試験を行い、放送受信機能の試験はCISPR 13に対して行わなければならない。分離してそれぞれの機能を試験することが実際的でない機器、あるいは特定の機能を分離すると主機能が実行できなくなるような場合、あるいは複数機能を同時に動作させることで、測定時間を節約できるような場合は、必要な機能が動作していて関連する条項、/規格の規定に合致していれば、その機器の試験は完了したとみなされる。例えば、放送受信機能を備えたパーソナルコンピュータがコンピューティング機能から分離して放送受信機能が動作できない場合は、コンピューティング機能と放送受信機能を (同時に) 動作させてCISPR 22とCISPR 13に従って試験を行うことができる。
規格で述べられている特定のポートもしくは周波数を除いて、許容がなされるとは、別の規格で多機能機器の該当する機能が試験された場合を指す。(例: CISPR 22に対して放送受信機能を含んだ機器が測定中の局部発振器の基本周波数もしくは分周周波数の除外) 同様に特定の終端装置も必要である。例えば、CISPR 22の測定中は、放送受信のアンテナポートはポートに対する決められたインピーダンスに等価な非誘導性の抵抗によって終端されていなければならない。
局部発振器による妨害は、選局された受信周波数/チャンネルを変えることによって引き起こされる妨害と区別されることができる。

上記の記述にかかわらず、
-もしEUTがCISPR 22の限度値を満足していればCISPR 13によるメインポートでの妨害電圧の測定は、除外される。
-もしEUTがCISPR 22で規定される放射妨害電界強度の限度値を満足していれば、CISPR 13による妨害電力の測定は除外される。
-もしEUTからのすべての放射妨害がCISPR 22で規定された限度値を満足していれば、CISPR 13による放射妨害電界強度の測定は免除される。


詳しくは、下記までお問い合わせ下さい。

【予約デスク】総合問い合わせ窓口
TEL: 04-7188-6381
FAX: 04-7188-6382
e-mail: otoiawase@jel.co.jp