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CISPR/A/355/FDISが可決!
Issue 33
2002年05月27日
2002年05月30日加筆
要旨
将来のCISPR 16-4 第1版 (無線妨害&イミュニティ測定装置と測定法に関する仕様 第4章 EMC測定の不確かさ) の最終ドラフト文書であったCISPR/A/355/FDIS (distributed on 2002-03-01) が、2002年05月03日の投票期限を経て、90%の賛成多数で可決されました。
これにより、今後CISPR 16-4 第1版が、国際規格として発行される予定です。前述したように、この文書はEMC測定の不確かさを規定したものです。その中でも時に重要なことは、測定ラボの不確かさ (以下、Ulabと称す) の値の大きさが、許容値に対する判定基準に影響を与えるということです。
即ち、CISPR 16-4が発行され、その内容が当該各国の規制に取り込まれますと、妨害許容値への適合・不適合は次のように判定することになります。
Ulabが表1のUcisprより小さいか同じ場合
測定した値が許容値を超えなければ適合とみなす。
測定した値が許容値を超える場合は不適合とみなす。
Ulabが表1のUcisprより大きい場合
測定した値に (Ulab-Ucispr) を加えた値が許容値を超えなければ適合とみなす
測定した値に (Ulab-Ucispr) を加えた値が許容値を超える場合は不適合とみなす
表1 Ucisprの値
測定 | 周波数帯域 | Ucispr |
---|---|---|
伝導妨害 (電源ポート) | 9kHz-150kHz 150kHz-30MHz |
4.0dB 3.6dB |
妨害電力 | 30MHz-300MHz | 4.5dB |
放射妨害 (オープンサイトあるいは代替サイト上での電界強度) | 30MHz-100MHz | 5.2dB |
その他 | 検討中 |
言い換えれば、測定ラボの不確かさの値 (Ulab) が、表1で示す値より小さいか同じであれば、許容値への判定基準は従来どおりですが、Ulabの大きさが表1より大きい場合は、その差分だけ許容値が厳しくなるということを意味します。
即ち、測定ラボの不確かさの値の大小が重要なポイントになってきます。現在、既にいくつかの測定ラボでは、自身の不確かさの値を試験報告書などで公表していますが、それらの算出基準や根拠は、必ずしも統一されているとは言えず、不確かさ算出のための共通の基準が無くしては、フェアな市場競争は望むべくもありません。
一般論になりますが、まじめに取り組めば取り組むほど、不確かさの値は増大する傾向にありますので、フェアな市場競争が確立されるよう、関係者各位の尽力を期待する限りです。
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